スポーツリハビリ

理学療法学専攻はスポーツ障がいを予防するための学びに力を入れており、スポーツ分野で活躍するトレーナーを多数輩出しています。
障がい者スポーツトレーナー、アスリートマネジメント会社経営、パーソナルトレーニングスタジオ代表と、立場の異なる卒業生3人に伊藤副学長がインタビュー。
夢に向かって道を切り拓いてきた苦労や喜びなどを、本音で語ってもらいました。

卒後の先にある
夢に向かって
Q. アスレティックトレーナーを目指したきっかけや、現在の活動を教えてください。
塚田 スポーツでケガをした時にリハ専門職のケアを受けた経験から、理学療法士としてスポーツに関わる仕事を志しました。ある日勤めていた病院に脊髄損傷で入院してきた患者さんが、「テニスをしたい」と。その言葉がきっかけで障がい者スポーツと出会い、すっかりハマってしまいました。
松井 長年サッカーをしていて、スポーツトレーナーに興味がありました。26歳卒業という遅いスタートでしたが、病院や整骨院に勤めながら諦めずに自ら営業をかけ、初めてレラカムイ北海道(現・レバンガ北海道)でプロスポーツのトレーナーの仕事を獲得。現在はアスリートマネジメントの会社を経営しています。
山内 トレーナーを目指したのは、高校2年生で前十字靭帯損傷し、理学療法士さんにお世話になったことがきっかけです。今はスノーボード競技のトレーナーとして、国内外の大会に帯同しています。2020年には整体とパーソナルトレーニングのスタジオを開業しました。
夢の実現には
諦めない気持ちが大事
Q. これまでの苦労や喜び、仕事のやりがいを教えてください。
山内 卒後2年間、整形外科で働きながらスポーツの活動ができる場を探しましたが見つからず、一度はその道を諦めました。理学療法士の仕事から離れた1年半の間はスノーボードに熱中。そこから再びトレーナーの夢に火がついたんです。今は、全日本スキー連盟のトレーナーとなって5シーズン目。世界の大会で選手たちが結果を残しているのはとてもうれしいです。
松井 レラカムイ北海道のトレーナーになった途端にクラブが破綻し、私もレバンガとして再出発するお手伝いに奔走。憧れだけでは仕事は続かないのだという現実を知りました。私は仕事を通して「北海道を元気にしたい」という思いがあります。今年はサポートしている女子カーリングチームが6年ぶりに日本一になったことで、その思いが少し叶った気がします。
障がい者の社会参加に
携わる喜びを
塚田 病院に勤めながらスポーツ現場に出ています。最初は障がいを持った方にスポーツをさせたくても、道具が無く、スポーツ用車椅子を手に入れるために、色々な所を駆け回り労力を割きました。障がい者スポーツは、障がい者にとって社会参加の入口となるものです。関わっている選手がパラリンピックに出場したり、メダルを取った時はもちろんうれしいですが、家に閉じこもっていた方がスポーツを通して社会参加していく姿を見られることに、とても大きな喜びを感じます。
Q. 今後の展望を教えてください。
松井 トレーナーのキャリアアップや、アスリートのセカンドキャリアをサポートしていきたいですね。
塚田 私は理学療法士やトレーナーが障がい者スポーツに関わりやすいようネットワークを整備し、興味を持った人が参加しやすい土壌を作っていくつもりです。
山内 女性トレーナーとして世界を広げていくのが、自分にできる役割だと思っています。女性はライフイベントに左右されて夢を諦める人も少なくありません。女性でも夢を諦めず活動できるよう、先頭に立って示していきたいですね。

(インタビューは2021年5月にリモートにて実施)

プロフィール

  • 旭川医科大学病院

    理学療法士

    日本車いすテニス協会 トレーナー部会
    全日本視覚障害者ボウリング協会 トレーナー

    塚田 鉄平さん

    北海道千歳リハビリテーション学院
    1999年度卒業(3期生)

    一般病院に勤めながら、業務とは別にアスレティックトレーナーとしての勉強と指導を両立。現在は障がい者スポーツトレーナーの資格を取得し競技に関わる

  • 株式会社PASSPORT社長

    理学療法士

    女子カーリングチーム
    フォルティウストレーナー

    松井 浩二さん

    北海道千歳リハビリテーション学院
    2003年度卒業(夜間1期生)

    富良野の総合病院で様々なリハビリを担当したのち、札幌の整骨院に勤務。レバンガ北海道を皮切りにプロスポーツのトレーナー経験を重ね、2018年に起業

  • パーソナルトレーニングスタジオ

    「フィジオルーム」代表

    理学療法士

    全日本スキー連盟トレーナー

    山内 聡美さん

    北海道千歳リハビリテーション学院
    2009年度卒業(13期生)

    整形外科に勤務しながら、スノーボード競技のトレーナーとしてW杯や世界選手権に帯同。2020年に、自宅で整体とパーソナルトレーニング、ピラティスのスタジオを開業

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