スポーツの世界でも必要とされる予防リハビリテーション 千歳リハ大で学ぼう!スポーツリハ

SPORTS REHAB
スポーツの世界でも必要とされる
予防リハビリテーション

スポーツは、競技レベルの向上を目指すアスリートはもちろん、健康増進や人生の楽しみの一環として、青少年や中高年にも幅広く普及しています。それに伴い、スポーツ外傷や傷害は増加、多様化しており、的確な治療や予防におけるリハビリテーションの重要性が増しています。

本学では、スポーツ傷害の学びをより身近なものにするため、プロ野球やJリーグなど第一線のスポーツ現場で現在活躍中の先輩理学療法士の特別授業を開講しています。

01 優秀な教員陣 経験豊かな先生たちからスポーツリハビリを学ぶ

女子バスケットボール選手の
傷害予防とコンディショニングに
取り組んでいます

スポーツリハビリテーションの現場で17年以上、整形外科疾患やスポーツ外傷に携わってきた理学療法士が指導を担当します。整形外科の専門病院に勤務しながら、地元高校のサッカー部や現在サポートしている女子バスケットボール部など、実際のスポーツ現場でトレーナーとしての経験も豊富です。

授業では、選手を支える現場で何が求められるのか、どのように傷害を予防し、コンディションを整えていくのかを、実践的に学ぶことができます。
足関節の柔軟性や下肢の筋力測定など、客観的に得られたデータをもとに選手への治療や自己管理のアドバイスを行い、柔軟性を高めるストレッチ指導や筋力トレーニング、試合後のケアやテーピングといった対応も行っています。

学生は実際のサポート現場に参加し、選手一人ひとりの状態を観察しながら、評価・分析・指導といったスポーツリハビリの基本的な流れを体験することができ、学びの幅が広がる機会となっています。

講師角瀬 邦晃
主な研究分野・領域:運動器理学療法
所有資格:理学療法士、准看護師

実践的な評価・指導スキルを、
スポーツ現場と研究の両面から学べる

選手の基礎体力・筋力・関節可動域などを測定し、データ化
データに基づいたセルフトレーニングの指導

02 楽しく学べる クラブ活動でスポーツリハビリを経験

スポーツ傷害に興味があって
理学療法士をめざした学生が集まって楽しく活動中です

スポーツ理学療法クラブ

スポーツ分野をより深く学習し、現場で活用できるスキルを身につけることを目的としたクラブです。具体的にはテーピングやストレッチの知識・技術を深めたり、パラスポーツ体験や医療スタッフの補助としてボランティア活動などに参加します。ハイレベルなスポーツ現場に携わることは、将来の仕事に活きる貴重な経験です。また、スポーツ理学療法クラブで学んだことを講義でも教わるケースがあり、理解度を深めることにも役立っています。

Sports Physical Therapy Club
  • Qどんな学生の集まり?
    スポーツ分野の理学療法をより深く学びたい学生が集まっています。
  • Q活動頻度はどのくらい?
    週一回、2時間程度活動しています。
  • Qどんな活動内容?
    経験豊かな先生からスポーツ理学療法を学んでいます。テーピングの実習と先生の治療の見学が人気です。
「スポーツ理学療法クラブ」のアピールポイント
スポーツ傷害に対する予防・改善の知識やテーピングの実施方法など、理学療法の楽しさを学べます!パラスポーツへも活動が広がっています!

ウィメンズ・ヘルス・
クラブ

女性の健康増進を目的に活動しています。骨格筋へのアプローチを重視しながら、低体重や肥満の改善(Body Make)、冷え性、月経周期の乱れ、姿勢矯正といった健康課題の改善に取り組んでいます。リハビリテーションとピラティスを融合させ、科学的な根拠に基づいたプログラム立案に励んでいます。

Women’s Health Club
  • Q結成のきっかけは?
    近年、女性の低体重(FUS)が新たな健康課題となっています。低体重や低栄養、筋力低下などにより様々な健康リスクが高まります。これらの問題に対してPTができること、ということでこのクラブは発足しました。
  • Q活動頻度はどのくらい?
    毎週、火曜日か金曜日に30分~60分活動しています。
  • Qどんな活動内容?
    ピラティスを中心に、女性の健康づくりにむけて運動などにより対応するクラブです。骨格筋へのアプローチを重視しながら、低体重や肥満の改善(Body Make)、冷え性、月経周期の乱れ、姿勢矯正といった健康課題の改善に取り組んでいます。
「ウィメンズ・ヘルス・クラブ」のアピールポイント
ウィメンズ・ヘルス・クラブでは、スポーツ分野でも注目される「ピラティス」を通して、姿勢や筋肉の使い方を学べます。解剖学の知識も深まるので、将来、健康な女性への健康増進やスポーツに関わりたい方におすすめ。健康に興味がある方も大歓迎です。

03 地域貢献 近隣のクラブ活動をスポーツリハビリで応援

高校のスポーツ部活動へ
講師陣と一緒に学生も参加して
実践的指導を経験します

本学教員が、依頼のあった中学・高校の体育系部活やスポーツを日常的に行っている地域へ出向いたり、本学を会場にして痛みのある部分を治療したり、ケガ予防やトレーニング法を指導しています。
(写真は講師の指導下で、本学4年生が日本航空高等学校北海道校の女子バスケットボール部の傷害予防やコンディショニングなどのフィジカルサポートを行っている場面です)

「スポーツ傷害の予防」が選手の未来を守る力になる。

走る・跳ぶ・着地する―激しい動作が多いバスケットボールで、選手の怪我を防ぐ体づくりを支援。客観的な評価や測定データに基づいて予防プログラムを立案・指導します。

万全の状態で挑むための準備。

柔軟性や筋力を高め、試合にベストな状態で臨めるようサポート。個々の状態に応じたアプローチから、パフォーマンス管理を実践的に学べます。

04 OBOGの活躍 プロスポーツ分野でキャリアを重ねる先輩たち

Special Lecture

トップアスリートを支えるプロトレーナーによる特別講義

本学では、理学療法士に加え、将来スポーツ現場で働くことを目指す学生を対象に、現場で活躍する先輩トレーナーによる特別講義を実施しています。今年度は、プロ野球(北海道日本ハムファイターズ)、Jリーグ(北海道コンサドーレ札幌)、カーリングのトップチームをサポートしている方々を講師としてお招きしました。
トレーナーを目指したきっかけ、現場での経験、苦労ややりがいなど、リアルな声を聞くことができる貴重な機会であり、将来のキャリアデザインを考えるうえで大きな刺激となっています。セラピスト養成大学として、全国でも珍しい本学独自の実学の一つです。

GUEST SPEAKER
  • コンサドーレ札幌アカデミー
    トレーナー
    黒谷 麟太郎さん
    1年生を対象とした「なりたい自分」へのヒントが詰まった講義です。学生時代の失敗や苦労をどう乗り越えたか、そしてそれが今のやりがいにつながっていることをお話しいただきました。
  • 日本ハムファイターズ
    トレーナー
    渡邉 和也さん
    2年生を対象とした、これからの進路や実習に向けた準備のヒントになる講義です。プロ野球の現場で活躍するセラピストのリアルな苦労や喜びについてお話しいただきました。
  • 株式会社RHYSIT 代表取締役
    元ロコ・ソラーレ チーフトレーナー
    現カーリングの日本代表トレーナー
    大森 達也さん
    3年生を対象とした就職活動や今後のキャリアを考える上でも、大きな刺激となる講義です。
    将来の健康増進事業への関りやジム経営の実際まで、幅広くお話しいただきました。

Interview

活躍する先輩へインタビュー

理学療法学専攻はスポーツ傷害を予防するための学びに力を入れており、スポーツ分野で活躍するトレーナーを多数輩出しています。
障がい者スポーツトレーナー、アスリートマネジメント会社経営、パーソナルトレーニングスタジオ代表と、立場の異なる卒業生3人にインタビュー。
夢に向かって道を切り拓いてきた苦労や喜びなどを、本音で語ってもらいました。

PROFILE
  • 旭川医科大学病院 理学療法士 日本車いすテニス協会 トレーナー部会
    全日本視覚障害者ボウリング協会 トレーナー
    塚田 鉄平さん 北海道千歳リハビリテーション学院
    1999年度卒業(3期生)
    一般病院に勤めながら、業務とは別にアスレティックトレーナーとしての勉強と指導を両立。現在は障がい者スポーツトレーナーの資格を取得し競技に関わる
  • 株式会社PASSPORT社長 理学療法士 女子カーリングチーム
    フォルティウストレーナー
    松井 浩二さん 北海道千歳リハビリテーション学院
    2003年度卒業(夜間1期生)
    富良野の総合病院で様々なリハビリを担当したのち、札幌の整骨院に勤務。レバンガ北海道を皮切りにプロスポーツのトレーナー経験を重ね、2018年に起業
  • パーソナルトレーニングスタジオ
    「フィジオルーム」代表 理学療法士 全日本スキー連盟トレーナー
    山内 聡美さん 北海道千歳リハビリテーション学院
    2009年度卒業(13期生)
    整形外科に勤務しながら、スノーボード競技のトレーナーとしてW杯や世界選手権に帯同。2020年に、自宅で整体とパーソナルトレーニング、ピラティスのスタジオを開業
卒業後の先にある夢に向かって
アスレティックトレーナーを目指したきっかけや、現在の活動を教えてください。
  • 塚田さん
    スポーツでケガをした時にリハ専門職のケアを受けた経験から、理学療法士としてスポーツに関わる仕事を志しました。ある日勤めていた病院に脊髄損傷で入院してきた患者さんが、「テニスをしたい」と。その言葉がきっかけで障がい者スポーツと出会い、すっかりハマってしまいました。
  • 松井さん
    長年サッカーをしていて、スポーツトレーナーに興味がありました。26歳卒業という遅いスタートでしたが、病院や整骨院に勤めながら諦めずに自ら営業をかけ、初めてレラカムイ北海道(現・レバンガ北海道)でプロスポーツのトレーナーの仕事を獲得。現在はアスリートマネジメントの会社を経営しています。
  • 山内さん
    トレーナーを目指したのは、高校2年生で前十字靭帯損傷し、理学療法士さんにお世話になったことがきっかけです。今はスノーボード競技のトレーナーとして、国内外の大会に帯同しています。2020年には整体とパーソナルトレーニングのスタジオを開業しました。
夢の実現には諦めない気持ちが大事
これまでの苦労や喜び、仕事のやりがいを教えてください。
  • 山内さん
    卒業後2年間、整形外科で働きながらスポーツの活動ができる場を探しましたが見つからず、一度はその道を諦めました。理学療法士の仕事から離れた1年半の間はスノーボードに熱中。そこから再びトレーナーの夢に火がついたんです。今は、全日本スキー連盟のトレーナーとなって5シーズン目。世界の大会で選手たちが結果を残しているのはとてもうれしいです。
  • 松井さん
    レラカムイ北海道のトレーナーになった途端にクラブが破綻し、私もレバンガとして再出発するお手伝いに奔走。憧れだけでは仕事は続かないのだという現実を知りました。私は仕事を通して「北海道を元気にしたい」という思いがあります。今年はサポートしている女子カーリングチームが6年ぶりに日本一になったことで、その思いが少し叶った気がします。
障がい者の社会参加に携わる喜びを
  • 塚田さん
    病院に勤めながらスポーツ現場に出ています。最初は障がいを持った方にスポーツをさせたくても、道具が無く、スポーツ用車椅子を手に入れるために、色々な所を駆け回り労力を割きました。障がい者スポーツは、障がい者にとって社会参加の入口となるものです。関わっている選手がパラリンピックに出場したり、メダルを取った時はもちろんうれしいですが、家に閉じこもっていた方がスポーツを通して社会参加していく姿を見られることに、とても大きな喜びを感じます。
今後の展望を教えてください。
  • 松井さん
    トレーナーのキャリアアップや、アスリートのセカンドキャリアをサポートしていきたいですね。
  • 山内さん
    女性トレーナーとして世界を広げていくのが、自分にできる役割だと思っています。女性はライフイベントに左右されて夢を諦める人も少なくありません。女性でも夢を諦めず活動できるよう、先頭に立って示していきたいですね。
  • 塚田さん
    私は理学療法士やトレーナーが障がい者スポーツに関わりやすいようネットワークを整備し、興味を持った人が参加しやすい土壌を作っていくつもりです。

(インタビューは2021年5月に実施)